2026年度上半期
アジア太平洋地域のデータセンター開発パイプラインは、2026年上半期に急速に拡大し、7,103MW増加して26,455MWに達しました。これは過去最高水準の半期増加の一つです。現在のパイプラインは、建設中の4,764MWと計画中の21,691MWで構成されており、同期間中には地域全体で約1,372MWの新たな運用容量が供給されました。大幅な新規供給があったにもかかわらず、空室率は2025年下半期の10.9%から10.3%へと低下しており、旺盛な需要を背景に市場が引き続き新規容量を吸収していることが示されています。2026年上半期、アジア太平洋地域におけるAIおよびクラウド関連投資は急速な成長局面に入りました。一方で、電力供給の制約が業界最大の課題として顕在化するなか、ハイパースケーラーによる投資は加速を続けています。
また、ハイパースケーラーに加えてネオクラウド事業者も重要な需要創出の担い手となっており、データセンター開発は従来の主要ハブから、より電力確保がしやすい周辺地域や新興市場へと広がりつつあります。将来の容量確保をめぐる競争が激化するなか、電力供給力、インフラ整備状況、そして規制の透明性・安定性が、市場の成長や立地戦略を左右する重要な要因となっています。
本レポート「APACデータセンター市場アップデート 2026年上半期」では、東京、シンガポール、シドニー、ムンバイ、香港、中国本土、ジョホール、ソウル、ジャカルタ、バンコクの主要市場の最新動向を取り上げています。また、現在の運用容量規模に基づき、デリー、台北、オークランド、マニラ、ホーチミン市、パースの6つのセカンダリー市場についても概要を掲載しています。
さらに、本レポートには、手法の高度化と追加データの検証を反映した「アジア太平洋データセンター市場成熟度指数」を収録しています。この指数では、既存および計画中の容量、空室率、事業者の展開状況と規模、個別施設の開発能力などの指標を加重評価し、今後10年間におけるアジア太平洋地域30市場の発展可能性を予測しています。